3.5.16 定まらない個人的な生き方

 youtubeなんかで自己啓発関係のチャンネルを流し見していると、初めのうちは自分の生活に取り入れてみようとか実践できそうなものはメモしておこうとか思うのだけれど、だんだんとそのチャンネル数の多さ、終わりのない研究成果の披露、切り取られる尺の短さとその全ての内容が似たり寄ったりしているせいで段々と情報を仕入れることが億劫に、厄介になっていく。元々情報過多の世代に生きているという実感は少ない方だったけれど、これにはさすがに癖癖としないではいられなかった。だって昨日見た自己啓発の内容が今日には別のチャンネルで否定されているんだもの。何を信じればいいのかわからない……なんてことはずいぶん前から言われていることなんだろうけど。


 足りないものばかりが目について、常に心に穴が空いているような、何かを求めても手にした時点でもう興味がなくなっている。例えば家具なんかにしてもそう。テーブルが足りない、掃除機が欲しい、食洗機の置くスペースを確保したい……でも、本当はなくたって構わないのだ。例えば音楽。僕はよくジャケ買いをする。僕は本当にCDをよく買うようになった。でも、学生の頃にTUTAYAで借りてミュージック・プレイヤーにインポートしたアルバムをそれこそ耳にたこができるくらいまで聞き込んだ……というようなことはなくなっている。むしろ僕の中の音楽に対する価値観が安くなっているみたいだ。真に心を動かされるような感動が、今となっては思い出す感覚でしかなくなっている。


 何かを変えようとファッション的に思って、ふらりふらりと実践らしきことをしているようなしていないような毎日。本当は何かを変えようとなんて思っていないのかもしれない。※「なんとなくの寂しさが夜に向かっている」。問題なく夜を寝てやり過ごせるように、何かの成果を求めている。

 

 ※Homecomings「Heart」から。 youtubeで聞いたときから心の中に住まうようになった。そんな感覚も、いまになってわかるようになってきたんだ。


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